水虫とは

水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が原因で起こる皮膚の疾患で、特に足裏への感染が多く見られます。我慢できないかゆみのイメージがありますが、実は全体の10%ほどしかかゆみが出ることはありません。成人男性だけでなく、女性や子供、高齢者にも見られます。
水虫の原因
水虫は、白癬菌への感染が原因で起こります。水虫になっている家族と同じバスマットを使ったり、プールや銭湯など多くの人が裸足で歩く場所によく行ったりする方は、白癬菌の付着リスクが高いと言えます。また白癬菌は高温・多湿な環境を好むため、長時間ブーツや分厚い靴下を履いていると菌が増えやすくなります。
ただし、白癬菌が足に付着してすぐに発症するわけではありません。こまめに洗い流すなどの対策が有効です。
水虫の種類
水虫は、症状によって3つのタイプに分けられます。
趾間(しかん)型
水虫の中で一番よく見られるタイプで、指の間の皮膚が白くふやけてジクジクしたり、皮がむけたりします。症状が治まっても再発することが多く、自然治癒することはほとんどありません。
小水疱(しょうすいほう)型
足の裏や側面、指の付け根などにポツポツとした小さな水ぶくれが多発します。水ぶくれがくっついたり破れたりすると皮膚がめくれてきます。
角質増殖型
足の裏全体の角質が厚くなり、カサカサして粉をふいたり、ひび割れが起こったりします。かゆみがなく、ただの乾燥だと見過ごされることも多いですが、剥がれ落ちた皮膚から他人に感染させてしまう可能性があるため、注意が必要です。
水虫の治療
外用薬
水虫は、塗り薬での治療が一般的です。クリームや軟膏、ローションなど様々なタイプがあり、皮膚の状態に応じて使い分けます。お風呂上りで角質が柔らかくなっている時に塗る、水分をきちんと拭き取ってから塗るなどの工夫で、より効果を高めることができます。
ただし、水虫が治りきるまでは最低でも2ヶ月以上かかると言われており、根気よく治療を続けることが大事です。治ったように見えても自己判断で中止せず、医師の指示に従って塗り続けることが大切です。
内服薬
水虫を放置して爪まで白癬菌が入り込んでしまった時は、内服治療を行う場合もあります。適応に関しては医師の判断となりますが、外用でなかなか治らない方や、症状が激しい方が適応となります。内服薬はまれに肝臓などに影響を与える可能性があるため、定期的な採血検査が必要になります。
水虫の予防
足のケア
足を洗う時は、指と指の間までしっかりと洗うようにします。ただしゴシゴシとこすらず、石けんをよく泡立てて優しく洗います。泡が残らないようによく流し、タオルでしっかりと水気を取りましょう。
蒸れを避ける
汗をかいた時や長時間靴を履いたあとには、よく拭いたり通気性の良いスリッパなどに履き替えたりして乾燥させます。靴の中が蒸れているので靴を干しておくことも有効です。
また靴下は吸湿性の良い綿素材を選んだり、指と指が付かない5本指ソックスにしたりすることも対策になります。
家族間での感染に注意
家庭内に水虫の人がいる場合はスリッパや足ふきマットなどの共有を避け、こまめに洗濯しましょう。また、すでにうつっている可能性も考慮して、家族全員がしっかりと治療を受けることも大切です。
完治させる
水虫に気づかず悪化させたり、周囲にうつしてしまったりすることがあります。まずは水虫かどうかをしっかりと診断し、適切な治療をすることが重要です。
また季節によって回復したように見えることも多く、治療を中断して再発する方が少なくありません。定期的に当院に通っていただき、きちんと完治させるようにしましょう。