粉瘤とは

皮膚の内側に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂が溜まったものを粉瘤(ふんりゅう)と言います。アテロームとも呼ばれる良性の皮下腫瘍ですが、溜まった角質や皮脂が自然に排出されることはないので、だんだん腫瘍が大きくなっていきます。
細菌感染が起こると赤く腫れて痛みを生じることがありますが、ほとんど症状がないため放置している方も多くいらっしゃいます。ただ、大きくなってからの切除は傷跡が目立つこともありますので、小さなうちの切除を推奨します。粉瘤でお困りでしたら、当院へご相談ください。
粉瘤の原因
粉瘤ができる原因ははっきりとはわかっていません。小さな傷から細菌が入って発症する場合や毛詰まりが原因で起こることもあります。また手の平や足の裏にできる「外傷性表皮嚢腫」の場合、イボウイルスが関係していると言われています。
粉瘤の治療
手術
粉瘤は自然に治ることはありませんが、痛みや炎症がなければ急いで治療しなくても構いません。しかし見た目が気になる、将来的に炎症や破裂の可能性が高いなどの場合には、切除手術を検討します。サイズにもよりますが、ほとんどの場合30分ほどの日帰り手術で対応可能です。
術後は出血することがありますので、当日・翌日の激しい運動、飲酒、入浴は控えてください。切除する粉瘤の部位や大きさによっては、安静期間が長くなることもあります。当院では日帰り手術を行なっております。粉瘤かも、と思われる症状がある場合はご相談ください。
粉瘤とニキビ
粉瘤は視診や触診で診断できるため、特別な検査は必要ありません。しかし、ニキビと思い込んで間違ったケアをしている方も多くいらっしゃいます。以下に挙げる見分け方と治療の目安を参考にしてください。誤った対応を避けるため、判断に迷う場合には一度受診されることをおすすめします。
粉瘤とニキビを見分けるポイント
粉瘤 | ニキビ | |
---|---|---|
黒い点 | 開口部に黒い点が見える | なし ※毛穴に詰まった皮脂が酸化して黒い点が生じることもある(黒ニキビ) |
におい | 圧迫されて内容物が出てくると、独特の強いにおいを感じる 炎症を起こしていると、触らなくても悪臭を感じることもある |
膿が出てもにおいはしないことが多い |
大きさ | 徐々に大きくなり、10cm以上になることもある | 炎症を起こしても、サイズが極端に大きくなることはない |
好発部位 | 全身のどこでも | 顔・背中・胸など |
粉瘤の受診の目安
腫れや痛みがある
膿が溜まって症状が悪化している可能性があります。外科的処置を要する場合もありますので、早めに受診しましょう。
再発を繰り返す
似たような形のできものが同じ場所に繰り返しできる場合、粉瘤の再発を疑います。根本的な治療を含めて、対処方法を検討します。
薬が効かない
市販のニキビ用の薬などを使っても改善が見られない場合、粉瘤の可能性があります。間違ったケアが粉瘤悪化の原因になることもありますので、お早めにご相談ください。