アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)によって起こる、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状が見られる病気です。最近では発症の低年齢化が指摘されており、アレルギー性鼻炎の子供が増えています。症状をうまく伝えられない子も多く、鼻づまりによる口呼吸で感染症などのリスクも高まります。
適切な診断と治療ができるよう、子供から大人までご家族皆様でご相談ください。アレルギー性鼻炎でお困りの方は、当院までご相談ください。
アレルギー性鼻炎の原因
アレルギー性鼻炎は、原因や症状が出る時期によって2つのタイプに分類されます。「季節性」は特定の季節に見られるアレルギーで、代表格は花粉症です。一方、1年を通して症状が見られるものを「通年性」と言いますが、両者を合併している方も多くいらっしゃいます。
季節性アレルギー性鼻炎の原因
- 春:スギ、ヒノキなど
- 夏:シラカンバ、イネなど
- 秋:ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど
- 冬:スギ など
通年性アレルギー性鼻炎の原因
- ダニ
- カビ
- ホコリ
- ペットの毛
- フケ など
アレルギー性鼻炎の症状
- 連続して起こるくしゃみ
- 無色でサラサラした鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ・充血
- 鼻のかみすぎによる鼻出血 など
これらの症状のほか、睡眠不足や集中力の低下、イライラするなど、生活に支障を来たすこともあります。
アレルギー性鼻炎の検査
毎年症状が出る時期や、特徴的な症状から診断できることがほとんどです。ただし今まで花粉症がなかった方や、風邪などと鑑別がつきにくい場合には、血液検査によってアレルゲンを特定します。
当院では一度に36項目のアレルゲンを調べられる「MAST36」によるアレルギー検査を実施しています。
血液検査でわかること
- 好酸球の値によって、アレルギーの症状なのか判定します。
- 非特異的IgE抗体を測定し、アレルギー体質かどうか判定します。
- 個々の物質に対してアレルギーがあるかを判定します。0~6までのアレルギーの程度が示されます。
アレルギー性鼻炎の治療
アレルゲンの除去
まずは原因となるアレルゲンを避けることが重要です。通年性の原因になるハウスダストなどには、こまめな掃除で対策します。また毛足の長いマットや布のソファなどを避け、防ダニカバーをかぶせるなども有効です。
花粉などの季節性アレルギーは、なるべく窓を開けない、外出時のマスクやメガネを着用するなどで予防しましょう。
薬物療法
抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬などの内服で、症状に合わせた対症療法を行います。眠気を感じる薬もあるため、症状の強さやライフスタイルに合わせて柔軟に使い分けていきます。また、点眼薬や点鼻薬を継続的に使用することで症状を軽くすることも可能です。
舌下免疫療法
原因となるアレルゲンを投与して身体のアレルギー反応を弱める治療で、アレルギーを根本的に解決したいという方におすすめの方法です。スギ花粉とダニのアレルギーに対応しており、保険診療で治療できます。
症状が強い時のケアについて
鼻の洗浄
花粉やホコリなどを洗い流すことで症状が軽快することもあります。水道水は鼻の粘膜を傷つけてしまう可能性がありますので、体液に近い生理食塩水を使いましょう。
鼻の保護
鼻の周囲が荒れるので、保湿ティッシュペーパーなどを使いましょう。また鼻の粘膜が弱くなって鼻出血が起こることもありますので、優しくかむようにし、鼻の粘膜の荒れにはワセリンなどを塗ります。
加湿
鼻粘膜の機能が低下するので、水分を補うことも大切です。室内を加湿したり、マスクを着用したりしましょう。