溶連菌感染症
溶連菌感染症の症状
溶連菌感染症は、通常、急性の喉の感染症として現れる疾患です。以下は、この感染症の主な症状です。
- 喉の痛み:溶連菌感染症の最も一般的な症状の1つで、喉の痛みや不快感があります。痛みは通常、飲み込む際に強くなります。
- 咳:咳が発生することがあり、喉の刺激によるものです。風邪と違い、咳の症状が前面に出ることは少ないとされています。
- 発熱:発熱があることがあり、体温が上昇します。発熱は一般的に中程度から高熱になることがあります。
- 喉の腫れ:喉の腫れや赤みが見られることがあります。扁桃腺や喉の組織が炎症を起こします。
- 声の変化:喉の炎症により、声がしわがれたり、変調を来たすことがあります。
- 咽頭結膜:咽頭結膜に炎症が生じ、赤く腫れることがあります。これは通常、咳やくしゃみによって感染が拡散する結果です。
- 発疹:一部の患者様には、皮膚に発疹が現れることがあります。これは「スカーレット熱」として知られ、発熱性の発疹が特徴です。菌体外酵素のうち、菌が出す毒素(erythrogenic toxin)によって生じます。数日の潜伏期の後、咽頭痛と発熱で症状がはじまり、それと同時にに皮疹(皮膚の発赤)が出現し始めます。また、扁桃には白色膜様物の付着が見られます。皮疹は紅色の点状、粟粒大の小丘疹で、頸部、腋窩、鼠径部などから始まり、体幹へと拡大します。顔面では、両頬部に紅斑が見られ、口周囲は色が脱色され白くなり口角炎を伴います。この皮疹は全身に広がった後、5~6日で消退し始め、1週間目ごろから体幹・四肢は色素沈着、粃糠様落屑を伴い、掌蹠は膜様鱗屑を伴います。舌は、初めは先端が発赤、舌背は白苔を伴いますが、経過と共に苺状舌を呈します。診断には迅速検査もしくは咽頭培養で、A群β溶血性連鎖球菌を証明します。感染力は比較的強く、治療にはペニシリン系の抗菌薬を少なくとも10日以上きちんと使用します。まれに腎機能障害を併発する例があり、長期間の経過観察が必要です。
当院でも溶連菌の迅速検査を行なっており、症状から溶連菌感染症が疑われる患者様には検査を施行します。これらの症状が現れた場合、医師の診察を受けることが重要です。早期の診断と治療が合併症の発生を防ぐのに役立ちます。クリニックファーストエイドでは、溶連菌感染症の診断と適切な治療を提供し、患者様の健康を守ります。
溶連菌感染症の原因
溶連菌感染症は、溶連菌(Streptococcus pyogenes)と呼ばれる細菌によって引き起こされる感染症です。この細菌が喉や口の粘膜に定着し、溶連菌感染症を引き起こす原因となります。以下は、溶連菌感染症の主な原因や要因です。
- 空気感染:溶連菌感染症は、感染者の咳やくしゃみを通じて飛沫を放出することによって空気感染します。健康な人が感染者の飛沫を吸い込むことで感染につながります。
- 直接接触:感染源と接触することで、細菌が皮膚や粘膜に侵入し感染が広がります。例えば、感染者との握手や感染者の口からの飛沫に触れることが考えられます。
- 汚染された物品:溶連菌は生存力があるため、感染者の唾液や鼻水が付着した物品(共用の食器、タオル、おもちゃなど)を介して感染が広がることがあります。
感染源となる溶連菌は、感染者の喉や口から採取した検体を検査することで診断されます。感染の早期発見と適切な治療が重症化を防ぎ、腎炎などの合併症のリスクを低減します。症状がある場合は、医師に相談し、適切な対策を講じることが重要です。クリニックファーストエイドは、溶連菌感染症の適切な診断と治療を行っております。心配な症状があれば、ご相談ください。
溶連菌感染症の検査
溶連菌感染症の早期診断は適切な治療を開始し、感染の重症化、合併症の発生を防ぐために非常に重要です。以下は、溶連菌感染症の検査についてです。
- 咽頭ぬぐい液検査:溶連菌感染症の最も一般的な検査法の1つは、咽頭のぬぐい液の検査です。医師が特別なスワブを使って喉の粘膜から試料を採取し、その試料をバイオクリーンルームで培養して溶連菌の存在を確認します。この検査により、感染が確定されます。クリニックファーストエイドでは溶連菌迅速検査も用意しており、迅速検査では5分程度で診断が可能です。
- 急性発疹症状:一部の患者様では、急性発疹症状(スカーレット熱)が見られることがあります。皮膚の発疹のパターンや特徴的な症状が見られる場合、医師は臨床的な診断を行うことがあります。
- 血液検査:溶連菌感染症によって引き起こされる急性発疹症状では、一般的に白血球数が増加し、C反応性蛋白(CRP)などの炎症マーカーが上昇します。これらの血液検査結果は、感染の存在を示唆する手がかりとなります。
- 症状と臨床評価:医師は患者様の症状や生活背景なども考慮して包括的に評価します。
- 感染源との接触歴:患者様が感染源との接触歴を報告することも、診断に役立つ情報です。感染がご家族や職場などで他の患者様からうつった可能性がある場合、溶連菌感染症の診断の助けになります。
溶連菌感染症の検査は、感染の早期発見と治療に不可欠です。クリニックファーストエイドでは、患者様の症状と臨床的な評価、必要に応じて検査結果を組み合わせて正確な診断を行い、適切な治療プランを提供します。医師の指導のもとで溶連菌感染症に対処することは、合併症のリスクを最小限に抑えるのに役立ちます。
溶連菌感染症の治療
溶連菌感染症は、早期の診断と適切な治療によってほとんどの場合、効果的に管理および治療できます。以下は、溶連菌感染症の治療に関する重要な情報です。
- 抗生物質治療:溶連菌感染症の主要な治療法は、抗生物質の投与です。一般的には、ペニシリン系抗生物質が第一選択薬として使用されます。ただし、アレルギーや他の医療条件がある場合には、適切な代替薬を検討させていただきます。
- 治療期間:通常、抗生物質治療は10日間から14日間続けられます。溶連菌感染を完全に除去するために、処方された期間を守ることが非常に重要です。
- 症状の管理:抗生物質治療を開始してから数日後には症状が改善することが一般的です。発熱や喉の痛みを軽減するために、症状の管理をサポートする薬の処方や、いつまで安静を保ったほうが良いかなどの、生活指導をさせていただきます。
- 休養:溶連菌感染症の患者様は、感染が治まるまで休養し、学校や職場を休んで他の人への感染拡大を防ぐ対策を取ります。
- 他の家族メンバーの検査:感染源と接触した家族メンバーに対しても喉のスワブ検査が推奨されます。感染が広がるリスクを最小限に抑えるため、感染源と接触した他の人々にも治療が必要かどうかを確認します。
溶連菌感染症の適切な治療により、合併症のリスクを低減し、感染の広がりを抑えることができます。感染症の症状が現れた場合、早急に医療専門家に相談し、指示に従って治療を受けることが重要です。クリニックファーストエイドは、溶連菌感染症の診断と治療を専門とし、患者様の健康を守ります。